ネズミにひかれる

一人で留守番をする時に「ねずみにひかれないように!」と声をかけられた経験はありますか?初耳の人もいるかもしれません。辞書の中には「ねずみに ひかれそう」=【家の中に1人きりで寂しく心細い様子(親しみをこめてからかう時に用いる)】と説明するものがあります。実は、江戸中期の国語辞書『俚言 集覧』にも載っているほど古い表現なのですよ。

しかし、なぜこのような言い回しが?「ひかれる」とは「引かれる」?「惹かれる」?「轢かれる」?想像が膨 らみますが、これは「ねずみが塩を引く」という慣用句に由来すると考えられています。昔は、戸棚に入れておいた物がねずみに食い荒らされ、いつの間にかな くなるという事がよくありました。一度に“引く”量は少なくても度重なると大量になる、そこから【ささいな事でも繰り返すと大事になる】【大量にあった物 が、最後になくなってしまう】ことを慣用的に「ねずみが塩を引く」というのです。つまり、「ねずみに引かれる」とは“そこにあった物が神隠しにでもあった ように、いつの間にか姿を消してしまうこと”。家に1人きりという状態は、神隠しにでもあいそうなほど寂しそうに見える。そこから、“油断していると神隠 しのような災難にあうかもしれないよ、気をつけなさい!”という意味で「ねずみに引かれないように」と声をかけるようになったというわけです。他にも、夜 更かしをしている子どもに「早く寝ないと、ねずみに引かれるよ」と脅し文句として使ったり、“道中気をつけて(変なものに引っかからないように)”という 意味の見送りの言葉として使うこともあるようです。今ではあまり耳にしなくなったこの言葉。いずれ消えてしまうのでしょうか。

Source: NHK[気になることば] 7月21日(水曜日)

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